5月19日 春の家族講習会が開かれました
さわやかな風が吹き抜けた5月19日の日曜日、新宿のあいおいニッセイ同和損保ビル会議室で、つぼみの会の恒例行事「春の家族講習会」が開かれました。総会に続き、午後2時より家族講習会のスタート。第1部は、慶応義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科/予防医療センター 小谷紀子先生の、「十人十色の血糖管理~新しいデバイスの利用~」というテーマの講演です。
小谷紀子先生のお話はとてもトレンディーで、しかも患者サイドに立った具体的で分かりやすい内容でした。
前半は、デバイス革命の現状について。インスリンは、頻回注射か、ポンプか、血糖測定は自己血糖測定器(SMBG)か、持続血糖測定器(CGM)か、フラッシュ・グルコース・モニタリング(フリースタイル・リブレ)か、さらに、CGM機能搭載のインスリンポンプ(SAP)か・・・等など、いま、1型の患者さんにとって非常に治療の選択肢が広がっています。どんなデバイスを使っているか、会場でアンケートを取り、その場で結果をお話になりました。さらに、アラート機能付きリアルタイムCGM(ガーディアン・コネクト)、パッチ式インスリンポンプ、皮下埋め込み型光学式CGM、吸入インスリン・・・、開発中、あるいはすでに海外で使用されているデバイスについてなど、なかなか夢のあるお話で、皆さん熱心に聞いていました。
後半は、インスリン治療における3つのキーワードについて。
1.「基礎レートパターン」夜間低血糖は?朝の血糖値は?
2.「インスリン効果値」インスリン1Uで血糖はどれくらい下がりますか?
3.「糖質比」コンビニのおにぎりを1個食べるとき、インスリンは何単位打ちますか?
朝の高血糖、暁現象、寝る前の血糖値が高い時は?糖質ゼロの注意点、どうして太ってはいけないか・・・まさに「十人十色」糖尿病の治療に教科書はなく、それぞれの患者のライフスタイルに合わせた治療法がある。そのためには患者自身も学ばなければならないし、色々試す必要もある、ということが分かりました。
小谷先生のお話は自分の体験も含めた、非常に実践的で分かりやすいお話で、1時間の講演がとても短く感じられました。質問もたくさんありましたが、時間の都合で打ち切らざるを得ませんでした。小谷先生への質問は、メールにて事務所に送っていただければ、できるだけ対応できるようにいたします。
第2部は分科会(グループディスカッション)です。次の4つのグループに分かれました。
Aグループ…幼児~小学校低学年の患者と家族など
Bグループ…小学校高学年~高校生の患者とご家族
Cグループ…大学生、社会人の患者とご家族
Dグループ…成人になってから発症した患者
つぼみの会の顧問の先生方を囲み、自己紹介から始まり、皆さん色々熱心に質問されていました。
特に今回は、新しい試みとして、成人発症の患者さんのグループを作りました。参加された中には、60代後半と、70代後半で発症したばかりという方がいました。病院の中で、同年代の1型の患者さんがいない、話をする機会がない、といってました。ふと、大人たちの「サマーキャンプ」もあればいい、と思いました。成人になってから発症した1型の患者さんの方が、20歳未満発症の患者さんよりも多い、と聞いています。つぼみの会が中心になって交流の場が作れたら・・・、私たちの課題です。
家族講習会の後、別室(小会議室)で懇親会(茶話会)を開きました。スーパーで買ってきたお菓子と飲み物でしたが、皆さんとてもリラックスして、楽しそうにお話されていました。
準備から後片付けまで手伝ってくれた皆さん、ありがとうございました。
今回の家族講習会は、参加人数が予想よりもはるかに多く、うれしい悲鳴でしたが、資料が足りなくなってしまいました。せっかく来てくださったのにお渡しできなかった方には、申し訳ありませんでした。今回の経験を、今後の家族講習会に活かしていきたいと思います。