11月3日 秋の家族講習会が開かれました
11月3日、秋の家族講習会が開かれました。昨年9月の開催以来14か月ぶりの家族講習会でした。一時は、年内の行事はすべて中止か?とあきらめかけていたのですが、無事に終了し、安堵しています。
会が始まるまで、いったいどれくらいの方が来てくれるのか、皆目見当がつきませんでした。幸いなことに、ソーシャルディスタンスを保った会場で、会議机が7割くらい埋まった状態でした。後日参加者数を集計したら、昨年春と夏の家族講習会とほぼ同数の90人超の方が来られたことが分かりました。お子様連れのご家族も目立ちました。皆さん、本当にありがとうございました。
会場に入る前の体温検査、手指のアルコール消毒、そして会場内座席の適度な間隔、これらは新しい生活のスタンダードとして定着してきたように思います。
家族講習会のトップバッターは「ひさねえ」こと、楠部ひさ子さんの体験談。糖尿病と共に歩んでこられた51年間を振り返り、やんちゃなエピソードも交えてお話くださいました。後半は、阪神淡路大震災を被災して。インスリンをどう手に入れるか、命をどう守るか、とても具体的なお話でした。家のタンスの引出しの上から4段目の中身が3段目に入っていた、という話をおかしそうに喋ってくださいましたが、これは実はとんでもない横揺れ、縦揺れの結果だと知り、恐ろしくなりました。
次に伊藤新先生の講演。昨年6月、3年半に及ぶ米国での研究生活から帰国されたばかりです。お話の内容は、(1)自分自身の糖尿病治療の変遷 (2)米国での医療保険や制度について (3)Hybrid closed-loop のインスリンポンプ治療について (4)これからの1型糖尿病治療の展望、膵島移植についてなど
これだけの内容を1時間でお話されました。インスリンポンプ治療については、すべて自分で使ってみて、その結果を説明されています。講演に使ったスライドを、つぼみの会会員に配布できないか、と相談したのですが、日本では未承認の機器の話が多いので、公開できる範囲で内容を整理します、とのことでした。
最後はパネルディスカッション。これは、分科会(グループミーティング)に代わる企画です。佐々木香織先生の司会で、顧問医の武居正郎先生、伊藤新先生、楠部ひさ子さん、サマーキャンプOGの井上真生子さんが登壇されました。インスリンポンプについて話題が集中しました。会場からも質問が活発に寄せられました。皆さん、やはりポンプについて非常に関心が高いと思いました。問題点が全体で共有でき、分科会よりも良かったのでは、と思っております。
以上、ざっくりと報告させていただきました。お話くださった皆さん、先生方、スタッフ、何よりも会場に来られた方々に心から感謝しております。皆さんに会場で書いていただいたアンケートはこれから集計いたします。読むのがとても楽しみです。また、講習会に来られた方も、来られなかった方も、どのようなお話でも結構です。ぜひ、つぼみの会事務所便り「みんなの広場」に投稿してください。よろしくお願いいたします。